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◆アートトーク

第5回 歌舞伎の舞台、遠近法についての一言
・歌舞伎の舞台

 最初の歌舞伎に出会った時は、何年か前に、パリのTHEATRE DE L'ODEONで起こったのだ。あのシーズンのプログラムに、国々の演劇は紹介されていた。あの時代に日本の芸能についてしっていたのはただ映画であった。すでに黒沢アキラの「羅生門」をびっくりし感心して眺めて見たことであった。

 フランスのあの時代の現在演劇界でBERTOLD BRECHTの後継者とナンセンスの芝居の支持者と活躍しながら争った。両派は私の要求に応じなかった。もう演劇作家として、内証的に戯曲を書いたり、すべての意味で、焦点なしの新遠近法を探求した。

 「俊寛」が上演されていた。一言も分からなかったばかりでなく、来る日に分かるという事情を想像さえしてなかった。強い印象を受けながら頭に上演を記入した。役者の演技、空の舞台と花道の上に部分的に海色の布を張っていた。焦点がなかった。人物が無限の海に囲まれた島に閉じ込められていた。THE ATRE DE L'ODEONの舞台がイタリア風であった。それにしても演出は旨くて海の障壁も閉じ込められた人物の苦悩を各々観客に感じさせた。

 上演の短い間に歌舞伎の構成、空間等、私の要求に応じると分かった。戯曲の表象力が広がって見えた、焦点がなくて、花道が先に出て、全劇場が、観客も含めて、演じされた世界は重溝した。数年を経て、何度も歌舞伎の上演を日本で観劇し、語りの時間次元、パノラマ風の舞台に大事されて水平線と絵巻物と関係があると仮定した。とにかく私の探求した芸能法が見つかった。


遠近法についての一言

 戯曲を舞台で演出するという作業は空間と時間、二種類ずつを扱うことである。すなわち脚本の空間と時間を舞台の限定空間と上演の限定時間に含ませる。脚本の空間と時間の想像次元を現実の舞台空間と上演時間の限りに合わせるのが適当な遠近法に従う。それに三次元の現実世界を平面に描くと遠近法に従うので演劇と画法の相互影響を観察すれば時代の変化は現れて来る。ところが同時代と地域の中にしてもその個性の思想によって遠近法は変わるのだ。PETER BRUEGEL THE ELDERの作品の見下ろした遠近画法は特別な面白い例になった。

 どうしてPETER BRUEGEL THE ELDERの鋭い見下ろした遠近画法の影響を受けた演劇作家の私は江戸時代の舞台まで芸を追求したが、話せば長いことだ。今度、書物に説明するつもりだ。ともかく江戸時代の舞台なり、PETER BRUEGELの作品なり、この世の悲喜が適当な遠近法に従って演じられたに違いない。

JEANNE SIGEE
ジャンヌ・スィジェー


Jeanne SIGEE

パリ大学法学部、英語卒
 演劇創作に関する研修(研究 及び 監修)

早稲田大学 日本語学部
国立劇場 歌舞伎養成課における監修
日本舞踊 藤間流 明執:藤間澄詠(宗家、師範)

演劇、放送等での実行
1980 「江戸芝居の音の世界」
 歌舞伎及び文楽につき  八回放送(フランス文化放送)
1981 「四谷階段」の脚色    二回放送ドラマ(フランス文化放送)
1982 藤間流日本舞踊紹介 モンペリエ ダンス フェスティバル
同、フランス人俳優研修の為、二週間の実習アヴィニョン フェスティバル
1986 「LA POULE」(めんどり) 一幕コメディー 初演
「L’ART-CHIEN」(犬芸) 初演
1988 「LA POIX」(タール)五幕ドラマ  初演
 自主演出  ポンピドゥールセンター
1992 「LA FRONTIERE」(国境) 三幕ドラマ  初演
 自主演出  テァ−トル ド ラ シテアンテルナショナル
1998 「IEMON」 (四谷階段)
  脚色、トリスタン ベルナール劇場 初演
1998 「IEMON」 (四谷階段) 脚色、パリ日本文化会館 再演
1999 「OEUKONOMIART」 (ウエノミアール)
  モリエ−ル メゾン ド ポエジ劇場  初演
2001 「L’ENTREPOT DE SUMIYOSHI」(住吉倉庫)
 リル大学 アルジャンテユ劇場 初演
「ARTS JAPONAIS DE LA SCENE」(日本の舞台芸能)
  レハブル、スタラスブル大学、プロヌビヤンクル劇場
2002 「LA MEUSE A SEPT QUEUES」(七ッ尾のメズ)モリエール、メゾン ド ラポエジ劇場 初演
2003 「IEMON」 アンザン バランシェース劇場 再演


著 書
1975 「ONZU FACES DE LA MERCI」(十一面の慈悲)、詩集 
  アカデミー フランセーズ賞、パリ
1979 「LES SPECTRES DE YOSTUYA」
 鶴屋南北 作「東海道 四谷怪談」完訳(仏語)序説、
 解釈付、再版 L’Asiatheque, College de France
 Bibliotheque de I’Institut des Hautes Etudes Japonaise,パリ
1986 「ANTHOLOGIE DE POESIE JAPONAISE CANTEMPORATNE」
 (現代日本詩)アンソロジー(共著)、再版 
 Gallimard,パリ
1991 「LA CATASTROPHE JAPON」

Centre National des letters の協力により Intertextes、再版
仏訳中 近松申二作「妹背山婦女庭訓」

記事、詩、翻訳、多数の記述、公演の他ヨーロッパ、
日本におけるインタビュー。
現在、新作の執筆及び日本作品の仏訳中。

Ordre des Art et Letters (芸術文芸)叙勲 (1986) 
勲四等瑞宝章(2002)

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